2024 .03.28
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2009 .10.22
うちの職場は、私のデスクのすぐ後ろが、ちょっとした打ち合わせスペースになっています。空いている時には、そこで雑談をしている人たちもよく見かけます。
今日も、そこまで急ぎでもない書類をかたかたと作っている私の後ろで、お兄さん二人(Hさん、Oさんとします)がお話されていました。
Hさん「2ちゃんねるでさ、小説を書いてる人がいるのよ。実話って体で」
Oさん「自分の体験談、みたいな感じで」
Hさん「そうそう。でもね、こっちから見るともう完全に小説なんだよ。うっすーい内容の。もう、そこらへんに転がってるネタをくっつけただけみたいな。でもそれがすっごい受けてて、感動しましたとかいっぱいレスついてて、まとめサイトとかどんどん出てんの」
Oさん「感動のラインが低いってことですかね」
Hさん「それもあるだろうけど、メディアの特性の違いっていうかな。たとえば、本で読んですごくいいと思うような文章って、ネットであんまり見かけないんだよね。ネットに載せるには難解すぎちゃう」
Oさん「簡単じゃないといけないというか」
Hさん「本って、たとえば中学生の時に読んで訳分かんなくても、大学生になってまた読み返して、そこであぁ~って分かったりするじゃん。でもネットだと、数年後に読み返すっていう前提じゃないでしょ。すぐに紛れちゃって、もう探さない」
Oさん「一回読んですぐに分かるものじゃないと」
Hさん「そうそう。しかも、数分ごとに一つ面白い、みたいな速さが求められる」
ただ内容が良ければそれだけでいいわけじゃない、メディアごとの見せ方、表現の仕方。
私は、やっぱり本を読んで育ってきた人間ですし、書籍っていう携帯に憧れやら思い入れやらもありますし、何度も読み返してもらえる文章を書くことを目指して、今もこうして小説を書き続けているわけですが。
もしも今後、紙媒体に替わって電子出版が主流となるような時代が来たなら、その頃のプロ物書きに求められる文章は今とは違ってくるのかな、と、考えてみたりもするわけです。
より簡単に、より単純に?
うーん。
ちなみに「実話っていう体で書いてる小説」について。
Hさん「実話かどうかは、俺は『偶然』の回数で判断してる」
Oさん「多いんですか?」
Hさん「多い多い。実際には偶然なんてそうそう起こらないよ。俺、今まで四十年近く生きてきて、偶然なんて一、二回あるかないか。それを数ヶ月のうちに二回も三回も『偶然』があったら、これはフィクションだろーって」
き、気をつけまーす!
(一応「奇跡は起きない」っていうのは信条としてあるので、偶然の乱発もしてないとは思うのですが……どうだろう。「偶然」と「設定」の境目って難しいよね!)
今日も、そこまで急ぎでもない書類をかたかたと作っている私の後ろで、お兄さん二人(Hさん、Oさんとします)がお話されていました。
Hさん「2ちゃんねるでさ、小説を書いてる人がいるのよ。実話って体で」
Oさん「自分の体験談、みたいな感じで」
Hさん「そうそう。でもね、こっちから見るともう完全に小説なんだよ。うっすーい内容の。もう、そこらへんに転がってるネタをくっつけただけみたいな。でもそれがすっごい受けてて、感動しましたとかいっぱいレスついてて、まとめサイトとかどんどん出てんの」
Oさん「感動のラインが低いってことですかね」
Hさん「それもあるだろうけど、メディアの特性の違いっていうかな。たとえば、本で読んですごくいいと思うような文章って、ネットであんまり見かけないんだよね。ネットに載せるには難解すぎちゃう」
Oさん「簡単じゃないといけないというか」
Hさん「本って、たとえば中学生の時に読んで訳分かんなくても、大学生になってまた読み返して、そこであぁ~って分かったりするじゃん。でもネットだと、数年後に読み返すっていう前提じゃないでしょ。すぐに紛れちゃって、もう探さない」
Oさん「一回読んですぐに分かるものじゃないと」
Hさん「そうそう。しかも、数分ごとに一つ面白い、みたいな速さが求められる」
ただ内容が良ければそれだけでいいわけじゃない、メディアごとの見せ方、表現の仕方。
私は、やっぱり本を読んで育ってきた人間ですし、書籍っていう携帯に憧れやら思い入れやらもありますし、何度も読み返してもらえる文章を書くことを目指して、今もこうして小説を書き続けているわけですが。
もしも今後、紙媒体に替わって電子出版が主流となるような時代が来たなら、その頃のプロ物書きに求められる文章は今とは違ってくるのかな、と、考えてみたりもするわけです。
より簡単に、より単純に?
うーん。
ちなみに「実話っていう体で書いてる小説」について。
Hさん「実話かどうかは、俺は『偶然』の回数で判断してる」
Oさん「多いんですか?」
Hさん「多い多い。実際には偶然なんてそうそう起こらないよ。俺、今まで四十年近く生きてきて、偶然なんて一、二回あるかないか。それを数ヶ月のうちに二回も三回も『偶然』があったら、これはフィクションだろーって」
き、気をつけまーす!
(一応「奇跡は起きない」っていうのは信条としてあるので、偶然の乱発もしてないとは思うのですが……どうだろう。「偶然」と「設定」の境目って難しいよね!)
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Comment
1
こんばんわ。
内容を見て思わず頷いてしまいました。確かに書籍とネットの人気作品って違いますよね。そのネット小説の中には『本になったら書いたい』と思うものもありますがそこまで爆発的人気ではなかったりします。
でも電子化が進み、そんな作品でないと売れない、ってなってきたら嫌だなあと思いました。活字離れが叫ばれる昨今小説の単純化はすすみそうな気配です。怖い。
私は賢い人間じゃないから文章も難しくない(と思う)のですが自分が好きなものを書ける時代であり続けてほしいものです。
でも電子化が進み、そんな作品でないと売れない、ってなってきたら嫌だなあと思いました。活字離れが叫ばれる昨今小説の単純化はすすみそうな気配です。怖い。
私は賢い人間じゃないから文章も難しくない(と思う)のですが自分が好きなものを書ける時代であり続けてほしいものです。
2
そうだそうだー!
コメントありがとうございます~。
ネット小説ってのは、単純に書籍よりもはるかに目が疲れるので、改行が少なく画面がぎっしり文字で埋まっていると確かに見づらいんですよね。
でも、だからって一文ごとに改行改行、というのは嫌ですよね! うちの小説ページも、改行がそんなに多くない(と思う、多分)ための読みづらさを緩和すべく、行間を少し空け気味にしたり、背景を真っ白じゃなくて薄いグレーにしたりしています。内容を薄める必要はないと思うんだ!
まあ、すべての小説がケータイ小説のごとく単純化していくってことは多分ないと思います。ああいうのはああいうのが好きな人向けに、そうでないのはそうでないのを好きな人向けに、と住み分けていくんじゃないでしょうか。今の若者(おばさん発言)はブログだの何だのの発達で活字離れどころかむしろ活字慣れしているらしいので、ああいうのに満足できない読者は、きっとちゃんと生き残るでしょうから。
お互い、書きたいように書いていきましょうね。
ネット小説ってのは、単純に書籍よりもはるかに目が疲れるので、改行が少なく画面がぎっしり文字で埋まっていると確かに見づらいんですよね。
でも、だからって一文ごとに改行改行、というのは嫌ですよね! うちの小説ページも、改行がそんなに多くない(と思う、多分)ための読みづらさを緩和すべく、行間を少し空け気味にしたり、背景を真っ白じゃなくて薄いグレーにしたりしています。内容を薄める必要はないと思うんだ!
まあ、すべての小説がケータイ小説のごとく単純化していくってことは多分ないと思います。ああいうのはああいうのが好きな人向けに、そうでないのはそうでないのを好きな人向けに、と住み分けていくんじゃないでしょうか。今の若者(おばさん発言)はブログだの何だのの発達で活字離れどころかむしろ活字慣れしているらしいので、ああいうのに満足できない読者は、きっとちゃんと生き残るでしょうから。
お互い、書きたいように書いていきましょうね。
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