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2018 .11.16
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ジョージ五世の次男・ヨーク公アルバート王子は、その華やかな出自でありながら、吃音というコンプレックスを抱え、内気で人前に出ることを嫌う性格だった。しかし父親のジョージ五世は息子に厳しく、様々な式典のスピーチを容赦なく命じる。夫を案じる妻エリザベスは、スピーチ矯正の専門家であるライオネル・ローグの元へ夫を連れて行く。アルバート王子を敬う様子もたじろぐ様子も見せず、堂々とバーティという愛称で呼び、平然と煙草を取り上げるライオネル。その態度に最初は反発を覚えるアルバート王子だが、ユニークな指導方法に徐々に心を開き始め、治療も成果を見せ始める。
しかし、吃音の原因は精神的な問題だと考えたライオネルは、アルバート王子のプライベートに踏み込む不躾とも言える質問をぶつける。さらに、次期国王となる兄・エドワード王子がいるにもかかわらずアルバート王子に王位を勧めるような発言をするライオネルに、アルバート王子は激怒する。
そんな中、次期国王となる兄・エドワードが、離婚歴のあるアメリカ人女性との恋のために王位を放棄してしまう。次男ながら意に沿わない王位に就くはめになってしまったアルバート王子=ジョージ六世は、戴冠式のスピーチを行わなければいけない。ジョージ六世は自分の非を認め、再びライオネルの元に赴く。ライオネルもまた頭を下げ、二人は和解する。
ライオネルの治療の甲斐あって、戴冠式のスピーチは成功に終わる。しかし「王のスピーチ」が求められる機会はこれだけではなかった。ヒトラー率いるナチスドイツとの戦争状態に突入することが決定。開戦間際の国民は、国王からの力強い言葉を待っていた。
全国民がラジオに耳を傾ける中、マイクのスイッチは入った。
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(あらすじ書くのって難しいな……)

ジョージ六世の感じる重圧、不安、孤独感。そういうものが作品のかなり全面(ラスト付近以外はほぼ全部?)を漂っているのですが、私がそれを強く感じたポイントは二つ。
一つは、兄エドワードのパーティに招かれた邸で王位にふさわしくない振る舞いをたしなめた時、兄から吃音や、それを治そうとしていることまでを嘲笑われるシーン。こうしてこのひとは子どもの頃からずっと、こうして傷つけられてきたんだろうな。
そしてもう一つは、国王に即位し、自邸に戻った時。それまでは笑顔で駆け寄ってきた娘二人が、自分を見て、緊張した面持ちで礼をした、その顔を見た瞬間。愛娘にとってまで、自分は父親ではなく国王になってしまったのか、と。でも、兄と違って我を通して国王の座を捨てることなんて、ジョージ六世にはできない。
父母と兄、ではなく国王と后、皇太子に囲まれて王子として窮屈に育ってきたアルバートに、はじめて対等に接してくれた、接しようとしてくれたライオネルの存在は、アルバート王子にとってどんなに救いだったことだろう。心の中にずかずかと踏み込むような質問をされて激昂もしても、そのおかげで初めて、大きな声を出せた。

パンフレット(歴史物は背景に詳しい方が面白いので買う)にも書いてあったんですが、ラストに王の吃音は解消されません。「ハリウッド的エンディングを避けたのは意図的だ。ジョージ六世の最後の演説を聴いたが、その時もまだ明らかに吃音があったしね」とトム・フーパー監督のインタビュー記事にもあります。
本作品のクライマックスとなるドイツとの戦争開始直前演説でも(英語なのであんまりわかりませんでしたが)吃音はなくなってはいない。でも演説は見事に王の威厳を国民に伝えた。マイクを切った後、ライオネルは国王に「Wの音がつかえていたな」と言う。するとジョージ六世は笑って「(喋っているのが)僕だと分かるようにね」と返す。
ここがすごく好きです。ジョージ六世はもう、言葉のつかえを指摘されても笑って言い返せるんだ、そしてライオネルもそれを分かっている。

それから、もう一つ好きなシーン。ライオネルが、公的な資格を持った言語療法士というわけではなく、戦争体験のトラウマなどから言語障害を来した患者を民間療法に近い独自の方法で治療していただけだった。それを指摘された時のライオネルの「資格はなくても、私は自分の積み重ねた経験に基づいて治療をしている」的な発言(メモ取ってなかったので、こういうニュアンスっていうことで)をしたシーン。王と后の間に生まれ育った、というこれ以上ない資格を持ちながら、自分に自信が持てないジョージ六世とは正反対。ライオネルの自信、誇りを目の当たりにしたジョージ六世は、きっとライオネルに羨望の気持ちを抱いたと思う。

ジョージ六世はじめ王族の人々はもちろん、ライオネルも実在の人物です。ジョージ六世はライオネルに、王個人に貢献した者にのみ与えられる勲章を授けたそうですが、それは名誉を与えるというよりも、周囲に邪魔をされず自分と顔を合わせることができるようになるため、なのかなーと思いました(戴冠式スピーチの準備中、平民のライオネルが会場であるウエストミンスター寺院で我が物顔に振る舞っている、と非難があった)。

歴史的に大きな出来事のあった時代の、一つの国家の中心となる人物が主人公なんですが、大がかり、壮大という印象ではなく、一人の人間の、他人から見れば大したことのない小さなドラマを描いている物語でした。王家の血筋という要素はあれど、「国王」という仕事なんですね。
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