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2018 .04.22
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100万部突破のベストセラー、どこの書店でも平積み、櫻井翔・北川景子主演で今期ドラマ化もされてますね。職場の先輩SWさんに「もう読まないから、良かったらあげるー」ということで頂きました。
巨大企業「宝生グループ」総帥の一人娘である令嬢・宝生麗子はその身分を隠して刑事として国立署に勤務中。中堅自動車メーカー「風祭モーターズ」御曹司である上司の自慢話を軽くかわしつつ今日も殺人現場へ急行するが、事件はなかなか解決しない。自宅での豪華ディナー中に執事・影山に事件概要を話したところ、「失礼ながら、お嬢様はアホでいらっしゃいますか」涼しい顔で執事は事件の謎を解き、犯人を突き止めてしまう。
……これがベストセラーかあ……。
文章はライトノベルだよね。「謝って済むなら警察いらんっつーの!」という台詞とか、スカートの裾を踏みつけて階段を転がり落ちるドジっ子お嬢様(麗子ではなく)とか。
宣伝用のちょっと広い帯に書店員さんのコメントが載ってるんですが、「久々にとても楽しい本を見つけました。ユーモアたっぷり、それでいてミステリとしても満足のいく出来」とか書いてあるんですが、そうかなあ。ユーモア部分はまあ、好みの問題なので私には合わないってことでいいとしても、ミステリとしては穴ありまくりじゃない? トリックとか人間関係の綾とか、これがミステリとして高評価を得るのは納得いかない。
『綺麗な薔薇には殺意がございます』とか、これは作品の締め方的にしょうがないっちゃあないんですが、麗子お嬢様が事件を持ち帰り、ディナーの時間に影山にそれを話して聞かせ、そこで影山がお嬢様を小馬鹿にしつつ鮮やかな推理を見せつけ、たところで終了なので、殺人に至るまでの動機部分には全然触れられないのね。ミステリってそこもポイントじゃないかと思うんだよね。
それにトリックも、『花嫁は密室の中でございます』悲鳴の聞こえた部屋に、ドアが開いた瞬間にばーんと飛び込んだ麗子の目にはとまらず、後から入ってきた吉田(事件現場であるお屋敷の執事)は隠れていた真犯人を(探す気で飛び込んだわけでもあるまいに)いきなり見つける、って。これをミステリのトリックとして高レベルと呼ぶのは無理でしょう。
『二股にはお気をつけください』もなー、成人男性の死体から服を脱がすのは、標準的な体格、腕力の女性にはかなりきつい仕事だと思うんだけど。作中では八時ちょっとに殺して八時半には逃げ出してるけど、ちょっと難しいよねえ、一時間くらいはかかっちゃうんじゃないかなあ。それに第一、そんなことしてる暇あったら、とっとと逃げた方がいいよ。



影山、麗子お嬢様、風祭警部とかキャラは立ってるので、ライトノベルと考えればまあ好きな人は好きなんだろうなあ、とは思うけど、でもこれが一般文芸扱いでベストセラー……ちょっと釈然としないかな。
麗子お嬢様にもなー、お嬢様であることを周囲に宣伝したくないなら自分の給料で買えるスーツを着ろよ、と突っ込みたい。
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